

今春、見事に東京大学理科一類に合格した岡田くんと下田くん。ずらりと並ぶ合格校を見ても、楽々と栄冠を手にしたように見える2人だが、実は、東大入試の手ごたえはあまり良くなかったという。岡田くんは「物理と化学の解答用紙を間違え、答えを書き直していて、まるまる一つ解けない問題があった」、下田くんは「答え合わせをしたら、『こんなの間違えてたんだ... 』というようなケアレスミスが見つかって、気が気じゃなかった」のだとか。前期の入試から発表までは、2人とも「後期の勉強をするべきなんだろうけど、やる気になれず、落ち着かない」日々を過ごした。
そして発表の日、下田くんは、学校の友達と東大の学食で昼ごはんを食べてから、発表会場に向かった。
「発表のボードを順番に見ていって、自分の番号が近づいてくると、見たくないような気持ちになりました(笑)。自分の番号を見つけたときは、『あった』と思ったんですが、実感はなかったですね。」
一方、岡田くんは、発表の時間をだいぶ過ぎてから到着。
「発表を見るまでは、ものすごく緊張しました。自分の番号はすぐに見つかったものの、びっくりして、僕も実感がありませんでした。」
その後、赤門の近くで2人はお互いの合格を確かめ合う。
「東大コースのスタッフやVoice編集部の人にも会って、お互いに実感のないまま(笑)、握手したり、もう一回発表会場に戻って、東大のアメフト部やラグビー部に胴上げされたりしました。」
喜びは、そのあと徐々に湧いてきたという。
岡田くんも下田くんも、中学時代、栄光ゼミナールに通っていた。教室は別々だったが、下田くんは、難関選抜講座の成績優秀者として岡田くんの名前が載っていたのを覚えているという。「すごくできる人だな、この名前(彪利=アヤト)は何て読むのかなと思っていました(笑)。」
2人とも、高校に入学すると、そのままナビオに入塾。ここでも教室は別々だったので、2人が実際に出会ったのは高3の東大コースだった。下田くんは「岡田くんは何でもできる人。この人を目標にするのか... 。勝てそうにないな(笑)」と思い、岡田くんは「下田くんは優秀だな、話しかけたいなと思ったけど、なかなか話しかけるチャンスがなかった(笑)。でも、一緒の大学に行けたらいいな」と思っていた。
2人がよく話すようになったのは、センター試験が終わって、東大の2次対策が始まってからだったそうだ。
下田くんも岡田くんも、スランプは、センター試験前と、私立大学の受験が終わったあと、東大の2次試験までの間だったという。
「前期は良かったのに、直前のセンター模試で点数が取れなくなって、まずいと思いましたが、センターの勉強は単調で、早く2次の勉強に移りたくて、つらかったですね。私立は早稲田大が最後でしたが、そのあと『今から勉強しても変わるものがあるのか? 早く受験したい、明日にでも受けさせてくれ!』という気持ちになりました。1人ではモチベーションを保つのがきつかったので、東大コースの直前授業があって、本当に良かったです。」(下田くん)
「僕は社会に手をつけていなくて、センター前に、時間がない、もう間に合わないんじゃないかと、精神的にも追い詰められてしまいました。それで、東大コースのスタッフの方に、個別に補習してもらったんです。2日間、5~6時間ずつ、つきっきりで見てもらい、結果的にはセンターで良い点数を取ることができました。このときは、何よりも、自分のためにここまでやってくれる人がいるということがすごくうれしかったですね。早稲田大の入試は物理が難しくて...早稲田大でこれじゃ、東大は無理なんじゃないか、と自信を失いました。でも、直前のナビオの数学のテストで高得点を取り、先生に『これなら合格点でしょう!』というメッセージをもらって、2次に立ち向かうことができました。」(岡田くん)
東大コースは、「みんなのレベルが高いことがとても刺激になった。また、スタッフと月一回相談して、おおまかな受験までの学習スケジュールを立てたことで、勉強のペースが作れた」という下田くん。後輩には「僕の通っていた都立国立高校は文化祭がさかんで、高3も準備に時間をかけるため、本格的に受験勉強を始めるのは9月の終わりから。それでも、そのときまで違うことにかけていたパワーを今度は勉強に向ければ力は伸びるはず。あきらめないで最後までがんばってほしいと思います」とエールを送ってくれた。
また、「数学は自分で参考書を買ってやったことはないし、物理もナビオの授業だけだった」という岡田くんは、後輩にも「むやみにほかの参考書などに手を出さないで、ナビオの先生と授業を信じて勉強してほしい」と語る。
「将来の夢は、東大で悩んで決めたい」という下田くん。そして「東大に合格したことに対して責任と使命感を感じています。自分の能力を生かして社会の役に立ちたい」という岡田くん。
東大で、「今までやったことがないことにも挑戦したい」(下田くん)、「幅広い教養を身につけていきたい」(岡田くん)という2人。きっと東大で将来の夢を見つけ、その実現に向けてがんばっていくことだろう。
用箋ボードは、電車の中で数学の問題を解くときに使った。 「立っていても、数学の問題ができました。友達には笑われましたけど(笑)。」 カバンは、3年間使い続けてボロボロになった。 「高校時代、最も一緒に過ごした物。いつも荷物を詰め込んで、苦労をかけました(笑)。」
東大の本試験は2月25日。その直前、22日にナビオで受けた数学のテストの答案に、先生が「これなら合格点でしょう!」と赤ペンで大きくメッセージを書いてくれた。「自信がなくなっていた時期だったので、本当にうれしかった。」お守りとして入試にも持っていった。

