国公立/私立別 受験科目の基本パターン 高1

2020年度の大学入試では大きな制度改革が予定されています。その内容はまだ未確定な要素が多くありますが、国公立/私立ともに、概ね受験科目に大きな変更はないものと想定されています。このページでは、文系/理系それぞれの受験科目をまとめています。文理選択や志望校選択の参考にしてください。

私立大

私立文系の基本イメージ

■個別選抜(3教科3科目)

  • 外国語
  • 国語
  • +
  • 地理・公民
  • or
  • 数学IA・IIB

国語

古文、漢文を除外している大学・学部もある。

現代文のみ 外国語学部、家政系、その他、一部の大学・学部
現代文+古文 ほとんどの大学・学部
現代文+古文+漢文 文学部と上位校の一部

地歴・公民

日本史/世界史/政治・経済/地理 の中から1科目選択。ただし、政治・経済や地理での受験を認めていない大学・学部もある。

地理と政経の
両方が不可
早稲田大(文/文化構想)、慶應義塾大(文/法/経済)、上智大、立教大(観光を除く)など
地理が不可 早稲田大(政経/法/商/社会科学)、中央大(法)、東京理科大(経営)、青山学院大(経営/国際政経)など
政経が不可 慶應義塾大(商)、立教大(観光)など

数学

大学・学部によって出題範囲が大きく異なる。また、数学を認めていない大学もある。

数学が不可 早稲田大(法/文)、明治大(法/文/国際日本)、青山学院大(文)など

私立理系の基本イメージ

■個別選抜(3教科3科目)

  • 外国語
  • 数学
  • 理科

数学

学部系統によって出題範囲が大きく異なるので注意が必要。

IA+IIB 薬学部、栄養学部、農学部
看護・医療技術学部、歯学部
IA+IIB+III 工学部、理工学部,理学部、医学部

理科

物理、化学、生物の中から1~2科目を選択する。また、受験科目が指定されている大学・学部もあるので、注意が必要となる。

薬学部 化学
看護・医療技術学部 生物
工学部・理工学部 物理を指定する大学が多い

・早稲田大や慶應義塾大、また多くの医学部では理科2科目が必要となる。

・看護・医療技術・栄養系の学部では現代文が課される場合があるので注意が必要。

私立大の基本は3科目型入試方式の複線化が進む

私立大の入試では、1つの大学・学部に複数の受験方式が存在する場合がほとんどです。一見複雑に見えますが、大学独自の試験を課す「個別選抜」と、共通テストを受験する「共通テスト利用型選抜」の2つに大別できます。
「個別選抜」では、上の表で示した3教科型が基本ですが、1~2教科だけで受験できる方式や特定の科目の配点を高く設定した方式などがあります。一方、「共通テスト利用型選抜」は、共通テストの結果だけで合否を判定するものと、共通テストと個別選抜の結果を総合して判定する方式とがあります。受験科目数は、1科目のみで受験できる大学から、国立難関大との併願がしやすい7科目利用する大学まで、その方式は多種多様です。また、共通テスト前に出願締め切り日が設定されている場合もあるので、注意が必要です。

私立大では、学内併願ができるように選抜日を複数設ける大学が増えてきています。個別選抜後に、再度チャレンジできる「後期日程」や「3月入試」と呼ばれる方式のほか、個別選抜とは別に全学部全学科が同日一斉に試験を行う「全学部日程」、大学の所在地以外の地方でも受験できる「地方入試」、学部・学科ごとに複数日設定された試験日を自由に選択して受験できる「試験日自由選択制度」など、受験生にとっては負担が減り、受験機会が増える傾向にあります。

各科目の出題範囲と選択科目に注意

私立大・文系では、国語と地歴・公民に注意が必要です。国語では、現代文と古文を課す大学がほとんどですが、一部の大学・学部では漢文を課すところもあります。また地歴・公民でも、政治・経済や地理の受験を認めていない大学もあります。また、数学での受験を認めている大学も多くあります。数学が選択される主なケースは、数学が相当得意な場合か、理系から文転した場合です。数学で受験する受験生は少ないため低倍率になりやすいのですが、できた場合とできなかった場合の落差が激しい教科であるため、安易な選択は危険です。私立大・文系はあくまでも英語と国語と地歴・公民の3教科3科目が基本です。

理系では数学の出題範囲と理科の選択に注意しましょう。数学は学部系統によって、数学Ⅲまで含むケースがあります。理科も同様に、学部・学科によっては受験科目が指定されている場合もあります。また、一部の上位校や医学部では理科2科目を課す大学があるので、選抜要項等で確認するようにしましょう。

安易な絞り込みは選択の幅を狭めることに

私立大の個別選抜では、1科目または2科目で受験できる選抜方式を設けている大学もあります。受験科目が少なければその分負担は減ることになりますが、早い段階で安易に科目数を絞り込むのは危険です。併願校を考える際に選択の幅を狭めることがないように、あくまでも3科目型をベースにして勉強を進めましょう。

国公立大

国公立文系の基本イメージ

■共通テスト(5教科7科目)

  • 外国語
  • 数学IA
  • 数学IIB
  • 国語
  • 地歴・公民
  • 地歴・公民
  • 理科

地歴・公民

日本史/世界史/地理/現代社会/倫理/政治・経済/倫理・政経の中から2科目を選択。

理科

物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎 の中から2科目を選択。

外国語

基本は英語。リスニング試験あり。

+

■二次試験(前期日程)

  • 外国語
  • 数学IA・IIB
  • 国語
  • 地歴・公民

上記から2~3教科選択

・主流は2~3教科型だが、東京大、京都大、一橋大、名古屋大などの難関大では4教科を課すなど、科目数、内容は大学・学部によって異なる。

・後期日程では教科数を1~3教科に減らすケースや、小論文や面接、実技を課す大学もある。
また、二次試験を行わず、共通テストの得点だけで合否を決定する大学もある。

国公立理系の基本イメージ

■共通テスト(5教科7科目)

  • 外国語
  • 数学IA
  • 数学IIB
  • 国語
  • 地歴・公民
  • 理科
  • 理科

地歴・公民

日本史/世界史/地理/現代社会/倫理/政治・経済/倫理・政経の中から1科目を選択。

理科

物理/化学/生物/地学 の中から2科目を選択。

外国語

基本は英語。リスニング試験あり。

+

■二次試験(前期日程)

  • 外国語
  • 数学IA・IIB・III
  • 国語
  • 理科

上記から2~3教科選択

・主流は2~3教科型だが、東京大、京都大、名古屋大などの難関大では4教科を課すなど、科目数、内容は大学・学部によって異なる。

・医学部では、共通テストと二次試験で理科3科目を必要とする大学もある。

・後期日程では教科数を1~3教科に減らすケースや、小論文や面接、実技を課す大学もある。
また、二次試験を行わず、共通テストの得点だけで合否を決定する大学もある。

国公立大の基本は5教科7科目型

国公立大の入試は、共通テストの結果と、各大学が独自に用意した二次試験の合計点で合否が判定される場合がほとんどです。共通テストは6教科30科目。その中でどの科目を選択するかは大学側が指定しますが、文系・理系を問わず5教科7科目以上を課す大学が大半です。国立大は前期・後期の2回、公立大は前期・中期・後期の組み合わせで最大3回のチャンスがありますが、国立大では難関大を中心に後期を縮小または廃止し、前期に一本化する動きが加速しています。公立大は、大学ごとに共通テストで必要な科目が異なり、5教科7科目から3教科3科目までさまざまです。ただし、国公立大の前期で合格した場合、中期・後期の受験はできなくなるので注意が必要です。あくまでも第一志望校は、前期で受験するのがセオリーです。

二次試験では、2~3教科を課す大学が主流です。ただし、一部の難関大では4教科を課すなど、科目数、内容は大学・学部によって異なります。また、後期では教科数を1~3教科に減らすケースや、小論文や面接、実技を課す大学、二次試験を行わず、共通テストの得点だけで合否を決定する大学もあります。

共通テストでのみ使用する科目は負担が少ないものを選択する

国公立大・文系の場合、共通テストのみ使用する科目は、理科と公民科目(現代社会、倫理、政治・経済、倫理・政経)です。そのため、時間をかけずに高得点が狙える科目を選択した方が有利になります。理科では①地学基礎→②生物基礎の順で、公民教科では、①倫理→②現代社会→③政治・経済→④倫理・政経の順で高得点が狙いやすいと言われています。文系志願者は、理科で化学や物理の選択は避けた方が無難でしょう。
一方、理系では、共通テストでのみ使用する科目は、国語と地歴・公民です。文系同様、地歴・公民に関しては比較的学習時間が少なくてすむ公民から選択した方がよいでしょう。理系志願者は、日本史や世界史の選択は避けた方が無難でしょう。

二次試験の出願先は2校用意しておく

二次試験は共通テスト後に行う自己採点の結果によって出願先を決めることになります。そのため、共通テストで思い通り得点できた場合と、そうでなかった場合の2校用意しておく必要があります。前者は、首都圏にある大学で、共通テストの得点の比率が高い大学、後者は、地方にある大学で、1~2ランク低い大学か、二次試験の比率が高い大学が望ましいと言えるでしょう。首都圏にある国公立大をめざす場合、共通テストで最低でも8割の得点率が必要なため、それ未満であれば地方の国公立大に変更しなければなりません。しかし、地方の国公立大といっても、共通テストの得点率が6割を切る大学は存在しません。したがって、5教科7科目において得意科目があり、さらに不得意科目がないことが国公立大をめざすうえでの前提条件となります。また、首都圏だけでなく、地方大学も視野に入れておく必要があることを覚えておきましょう。

今後随時発表される共通テストの情報に留意しつつ、入試に関する情報を正確かつ早急に入手すること、さらには塾の先生にアドバイスを仰ぎ、確実に受験対策を進めていくことが大切です。