キャリアプランの必要性と現役へのこだわり

大学、学部・学科といった進路の選択には、大学卒業後の就職先やその先の人生設計にも大きく影響します。実りある大学生活、さらには10年後、20年後に納得のいく生活を送るためにも、じっくりと考えてみてください。

大学の情報公開

文部科学省は2011年4月、大学設置基準を改定し、実際の学生数や就職者数などの情報公開を各大学に義務付けました。各大学独自の基準によって、わかりにくくなっていた就職状況の明確化が進むことで、生徒や保護者の方々にとっては大学選びの参考資料が増えつつあります。

大学のキャリア教育

就職状況の情報公開と並行して、文部科学省は大学教育の中にいわゆる進路指導的な授業科目として「キャリアガイダンス」を盛り込むことを決めました。

ここでいう「キャリア」とは、一生にわたる職業上の活動のことです。大学だけではなく、大学卒業後の職業、さらにはその先10年後、20年後の将来像を考えたうえでの活動を意味します。つまり自分の「キャリア」を考えるということは、自分の適性や興味が具体的にどんな職業に合っているのかを考え、その職業に就くための道筋を計画することなのです。

こうした国を挙げてのプロジェクトがスタートした背景には、大学進学率の上昇による就業意識の低下があります。短大を含めた大学進学率が50%を超え、「すぐに社会に出るのは不安」、「自由な時間を得たい」といった理由で進学する人が増えました。目的意識を持たずに入学したため授業についていけずに中退してしまったり、明確な進路を決められないまま大学を卒業した結果、フリーターや無業者になってしまったりする若者が増える傾向にあるのです。さらには、就職したにも関わらず、大学新卒者の約3割が入社後3年以内に辞めてしまう状況が続いています。これは入社した会社が自分に合わないといった理由が原因です。就労意識のミスマッチを防ぐために、大学では働くことの意味や職業観、将来設計を考えるためのキャリア教育に力を注ぎはじめました。

キャリアサポートの充実度

学生一人ひとりのキャリア形成のために、大学はさまざまな工夫を始めています。学内にキャリアセンターを設置したり、入学直後から各種ガイダンスを実施したりと、早期から就業意識を高め、就職支援を開始する大学も増えています。また、入学予定者に対しての学部・学科の内容に関するレポートの作成や、特別講座を実施するなど、入学前教育にも取り組んでいます。さらには講義要目をまとめたシラバスの内容を充実させ、その授業で身に付けるべき能力を明確化。そのほかにもインターンシップ(就業体験)の推奨、各業界の第一線で活躍する専門家を定期的に招聘する特別講義、資格取得のための課外講座の開設など、職業観や就職に対する意識を高めるためのさまざまな取り組みを積極的に行っています。大学によってキャリアサポートの内容や充実度は異なります。大学選びの参考にしてみるとよいでしょう。

進路選択の基準

大学には自分の興味や関心のある学問に集中できる環境があります。しかし、実際にどのような学部・学科があるのかよくわからないという人がほとんどではないでしょうか。自分がやりたいことをきちんと考えず、イメージだけで学部・学科を決めてしまった結果、興味の持てない授業を4年間も受け続けるのは、人生全体を通して見てもあまりに非効率です。逆に、やりたいことや自分の適性に合った職業選択を軸に、大学、学部・学科選択ができればどうでしょう。もともと興味のあった内容を扱う授業を退屈に感じることはないはずですし、毎日何かに熱中しながら充実した大学生活を送ることができるはずです。

大学や学部・学科を選ぶ基準は人それぞれです。知名度や偏差値で選ぶ人がいれば、取得できる資格や就職率を重視する人、さらには学費や自宅からの利便性などで選ぶ人もいます。しかし、4年間の大学生活、さらには就職後の人生を納得のいくものにするためには、自分が興味を持っている分野が選べる学部・学科を選ぶこと、つまりは将来に対する目的意識と計画性を持って、進路を選択するかが何よりも大切なのです。

社会が求める力

志望する大学に進学することがゴールではありません。むしろ入学した後の方が重要なのです。大学4年間の学びや生活を通じて、さらに自分を磨きあげていかなければ、競争の激しい社会を生き抜くことはできません。それを示すように、経済産業省が職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎力として「社会人基礎力」を、文部科学省が大学卒業までに学生が最低限身につけなければならない能力として「学士力」を提唱しています。これらは大卒者の質を高めるとともに、社会や企業が求める力とは何かを定義したものです。これらの能力について、高校生のうちから意識しておくことはとても有益なことです。

浪人のリスク

受験に対する意識が低く、高3になって受験勉強を始めた結果、1年間の浪人生活を送ることに。こうした状況は、絶対に避けなければなりません。浪人することの一番のデメリットは、経済的な負担です。予備校に1年間通うとなると、入会金や授業料、夏期講習費など合わせて約100万円。再び大学の受験料がかかるため、1校につき3万5千円×10校として考えるとさらに35万円と、合計135万円の負担が増えることになります。また大学卒業後、企業に就職するのであれば、定年直前の最後の1年分の年収を受け取れず、生涯で手にする賃金総額も低くなります。「浪人したことが人生の糧になる」という考え方がありますが、挫折感や友人に対する劣等感が将来に影響しないとも限りません。さらには、浪人することで必ずしも学力が上がるとは限りません。時間を比較的自由に使えることもあって誘惑に負けて本来の目的を見失い、逆に成績が下がってしまう浪人生も少なくありません。これらのことは浪人することのリスクとして、認識しておかなければなりません。現役合格にこだわり、日々の学習に取り組むことが大切なのです。

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